この本の最後で、写真家である著者は、こんなことを述べています。「5分後にこの世からいなくなってしまう犬と、有名な作家さんやミュージシャンの方の犬、そして一般の方々の愛犬たち。同じ犬であるはずの彼らの写真がもし違って見えるのだとしたら、きっとそれを見る我々の側に理由があるはずです。その理由が何なのか。この本はそんなことを考える小さなきっかけになってくれれば、僕が撮ってきた犬たちも少しは喜んでくれると思います。」この本は、著者の願いどおり、考えるきっかけを与えてくれる本です。数多く写し出されている犬の写真、そこからみえる彼らの表情からいろんな思いを感じとることができます。
捨てられたり、迷子になった犬たちの運命をテーマにした写真展「ただの犬。展」が開催されました。ただの犬とは、保健所や愛護センターに集められて、飼い主が現れなかった犬たちのこと。「ただの犬。展」の第二弾「Do you have a home?」のパンフレットを大幅に改定し、書籍化したものです。家のない犬たちの存在を考えた事がありますか？彼らの存在を知り、生き方を知って、人と動物との関わりあいをあらためて見つめ直してみませんか？
写真 文/ 服部 貴康
誌/ 小山 奈々子
A5判上製128ページ
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