ここ数年、やたらと吠える犬が増えてきたと思いませんか?
噛み付いたり、歯をむきだして怒る攻撃的な犬も・・・
飼い主自身でコントロールできない犬が増えているような気がします。
「お宅のワンちゃんは大丈夫ですか?」「心あたりはないですか?」
書店に行けば、多くのしつけ関連の本を目にします。一家に一冊ぐらいはあるものの、「そんなにうまくはいかないわよぉー」となげいている飼い主さん、いませんか?
しつけ関連の本をみていて、最近では、よくこんなフレーズを目にします。
「ほめてしつける」
たしかに、適切な方法です。たしかに、そうです。
しかし、「ほめてしつける」=「叱ってはいけない」、と勘違いしてしまう、解釈してしまう飼い主さんが多いのです。「あなたは大丈夫ですか?」心にズキッときたあなた!注意です!!!
もしかして、わたしたち獣医師、インストラクターetc指導者側の言動が、そう誤解させているのかもしれません。 ほめることはとても大切ですが、叱ることも時には大切です。何をしても叱られなければ、やりたいほうだいのワンちゃんもいるでしょう。何がいいのか、悪いのか、混乱してしまうワンちゃんもいるでしょう。
そんな混乱が「吠える」「かみつく」という困った行動をおこしているケースも多いのです。
● 他人に向かって吠えても何も言えないあなた。
● 「先生ぇー、うちの子、凶暴だから連れてこれないのぉーお薬だけちょうだい」となげくあなた。
● キバをむきだしてうなられると、ついついひるんで言いなりになってしまうあなた。
● 散歩中はどんどんリードをひっぱられ、散歩されているあなた。
● 「エサをよこせ!」と吠えてうったえられると、ついついあげてしまうあなた。 |
こんな困った行動も、飼い主がまねいたちょっとしたルールの混乱からうまれてくることもあるのです。 “もしかしたら あたしそうかも・・・” と思った飼い主さん、あなたは叱れない飼い主さん予備軍です。 “まさにあたしだわぁ”とニンマリした飼い主さん、あなたは叱れない飼い主さんそのものです。 叱らないんじゃなくて、叱れない、そんな飼い主さんが増えているような気がします。
● 叱ると犬が怒ってこわいから
● かわいくてしかたないから叱れないの |
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そんな理由もあるでしょう。
犬に何かを教えるときには、必ず「○○○をしたら叱られるけど、○○○をしたらほめられる」というように、“しかる”と“ほめる”の2つを1セットで教えてあげてください。ただし、やみくもに叱るのではなく、叱るタイミング、声の強さ、トーンがポイントです。また、家族みんなが、一貫性をもって行うことも。叱り方についても、「○○しなさい」というマイナスの言葉、マイナスの感情は、動物達の心に傷をつけるので、ダメダメよ。
私は、しつけは飼い主と犬との絆を深めるためのものと考えています。絆を深めるためには、楽しみながら取り組むことです。また、医療においてセカンドオピニオンを求めるのと同じように、犬のしつけについてもいろいろな獣医師、トレーナー、インストラクターの意見を聞いたうえで、自分にはどんなしつけがよいかを判断してください。 |