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サンカム新聞

@毛皮商品に疑問を持つ
毎年、数百億円もの利益を上げる毛皮産業。
しかし、私たちが毛皮を身にまとって自慢げに喜ぶその裏で、いったい何匹の動物達がもがき苦しんでいるのか、考えたことはありますか?

毛皮は、美しいもの。オシャレなもの。高級感をただよわせるもの。自分をよく魅せるもの。

単に、そんな感覚で、ファッションや虚栄、見栄のために着用している人がほとんどだと思います。ほとんどのケースが、自己満足の範囲ですよね。しかし実際は、一枚のコートを作るためには、それだけの動物達が犠牲になっているのです。その現状は、まったく野蛮で残虐なものです。

今現在、身につけている毛皮が、“動物からはぎとられたものだ”という事実を、
いったいどれだけの人が認識して着用しているでしょうか?
毛皮が使われている商品、実際にはどんなものがあるかご存知ですか?
ちょっと、思い浮かべてみてください。
思っている以上に、いたるところ、身近なところで使われているものですよ。
上着
フード
マフラー
手袋
靴下
バッグ
手帳
家具
キーホルダー
携帯ストラップ
ぬいぐるみ
動物の置物
ミュール
アクセサリー
つけ襟
帽子
財布
クッション
袖口
こうしてあらためて考えてみると、何かひとつは家庭にないですか?

たったひとつの毛皮商品でも、それを作るまでには、
どんなにたくさんの動物達が、どんなに苦しんだか、想像してみてください。

A毛皮のために殺されていく動物たちの悲惨な実態を知る
【1枚のコートを作るために殺される動物の数】
ウサギ:100羽
イヌ:10〜24匹
ネコ:20匹
タヌキ:12〜15匹
キツネ:20〜40匹
リス:100匹
ミンク:40〜60匹
【日本で1年間に輸入される毛皮の数】
ウサギ:17万羽
ミンク:32万匹
羊、ヤギ:180万匹
キツネ:12万匹
その他:93万匹
1998年(大蔵省貿易統計)
その他の動物は、オポッサム、ヌートリア、ビーバー、リスなど

この具体的な数字を見て、ぞっとしませんか?


デパートや高級ブティックに並ぶ毛皮のコートを手にして喜ぶ前に、一度この現実を頭に思い浮かべてみてください。あなたがその商品を選ばなければ、それだけ殺される動物を減らすことができるのです。まさに、需要と供給の関係。買う人がいるから、作るひとがいるのです。

需要があるかぎり、動物達の犠牲はなくなりません。


「自分が買わなくても、他の人が買えばいっしょだ」と言う人もいますが、「毛皮は買わない!」というはっきりとした自己意識をひとりでも多くの人が持つことが、毛皮廃絶の道につながるのではないでしょうか。廃絶への道は長くても、ひとりひとりが少しでも毛皮の実態を認識することで、不幸な運命をたどる動物が一匹でも多く減る助けになると、私は思います。

私達は、たった一つの毛皮のために、いったいどれだけの動物達が犠牲になっているのか、その無残な現状をただ知らないだけだと思います。知らずに買っている、そんな人がほとんどだと思います。だからこそ、少しでも多くの人に、この現状を知ってもらうべく、「毛皮について」を今回の新聞のテーマにとりあげました。

(獣医師:日置 恵利子)

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