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サンカム新聞
ギリシャ語のholosが語源
 Holistic(ホリスティック)とは、ギリシャ語のholosを語源としており、“全体” “バランス” 
“総合”といった意味を含んでいます。このholosから派生した言葉には、whole、heal、holy、
healthなどがあります。 ということは、health(健康)という言葉自体がもともと“全体”という
意味に根ざしていることが分かりますね。

◆身体全体を癒していく
『ホリスティックケア』とは、「心と体はつながっており、全体の
バランスがうまく取れてこそ健康である
」という考えに基づいた
健康法です。
つまり、「心と身体はつながっており、心の状態が悪くなれば、身体の調子も悪くなる」と考えます。逆に言えば、「
身体の調子が悪くなれば、心の調子も悪くなる」ということです。

病気やケガを単なる部分としてとらえず、「心と身体が密接につながっている」と考えることで、“全体”をとらえながら、身体も心も変えていき、
体全体を癒していくことで、病気を根治しましょう!という考え方がホリスティック的な概念です。
ホリスティックな考え方の中でも食事療法・栄養療法、つまりは「ペットの食」に注目しました。
身体にいいものをしっかりとる
私は、数年前、この『ホリスティック』な健康法に心動かされ、それ以来いろいろと勉強してきました。イメージとしては、鍼やお灸、指圧、漢方薬などの東洋医療、ハーブ療法、食事療法、マッサージ療法、自然療法など各種代替療法(補完療法)を想像しますが、私はこの中でもまずは、食事療法、栄養療法、つまりは『ペットの食』というものに注目しました。そして、「体にいいもの」「自然なもの」「体がよろこぶ栄養素」をしっかりととることで、体は自然とよくなっていくに違いない!より自然な状態に近づくに違いない!そんな思いが一気に湧いてきました。
食事改善で体質改善を期待する
獣医師として、自らが安全で安心して食べられるお肉やごはん、おやつを提案し、医療の現場でも“ホリスティック”健康法のひとつとして取り入れていくうちに、これまたごく自然と健康的なペット達が増えていくことを身近に感じています。「食事」を改善するだけで、こんなにも「体質」が改善されるものかと、その“単純さ”に驚きさえ感じています。そしてまた、皮膚病や外耳炎、肝疾患・・・などなど様々な疾患をかかえたペットや、さらには幼犬から老齢のペットまで、多くのペット達に食事の改善をすすめていく中で、『食べる物』の大切さを日々痛感しています。
知れば知るほど、奥深いことがわかる『ホリスティック医療』ですが、その関心度は年々、確実に高まっています。
ほんの10年程前までは、『ホリスティック医療』の「ホ」の字も聞かれませんでしたが、今では、「フラワーレメディ」や「Tタッチ」、「鍼灸」、「マッサージ」、「アロマテラピー」などの普及によって、一般の飼い主さんにもようやく「ホリスティックケア」というものが認識されるようになりました。
動物分野における西洋医学の発達もめまぐるしい
また、今は、動物分野における西洋医学の発達もめまぐるしく、新しい検査機器、新しい薬がどんどん開発され、以前は治せなかった病気、原因が分からなかった病気を治療できるように時代が進んでいます。飼い主さんの中には、断固として、絶対に、薬を嫌う人もいれば、なんでもないのに、すぐに薬に頼りたがる人もいます。いろんな方がいて、いろんな考えがあります。そして、いろんな状況におかれた動物(ペット)たちがいます。どの方法が正しいのか?と考えるのではなく、どこまでを飼い主さんが望み、どういった方法を動物の体が必要としていて、どれが本当に合っているか、ということだと思います。
こんな治療法も、あんな治療法も…いろんな選択肢がある。そんな実感をさせてくれる。

ずっと元気で一緒にいてほしい
こんな治療法も、あんな治療法も、そんな治療法も・・・、いろんな選択肢がある。それを実感させてくれるのが、『ホリスティックケア』です。でも、だからこそ、「もっと知りたい、学びたい」という意欲がわいてくるものです。わたしと一緒に暮らしている動物たちは、幸いな事に、今までに、これといった病気をしたことがありません。これも、『ホリスティックケア』のおかげかなとも思いますが、でも、いつかは、看病したり、介護したりしなくてはいけない日が来るかもしれません。そんなときのためにも、また少しでも、そんな日が遠い遠い先であるように、今のうちから『ホリスティック的な考え』に基づいた心のケア、体のケアをしていきたいと思っています。そして、そのためには、動物たちに毎日たくさん語りかけて、お話をし、心をかよわせることが大事だと思っています。

(獣医師:日置 恵利子)
 

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